2018年6月前半の投句一覧

  • 穂積
  • 2018/06/16 (Sat) 18:54:45
(2018.6.1 金)
ぎゅむぎゅむと口に頬張る桑苺 彩香
桑の実に桑と知りたる巨木かな   美和
炎暑かな本田圭佑桑田佳祐    真理
ひと匙ずつどうぞどうぞとアイスクリーム   薫
黒南風や国道五十八号線 智恵
国道を右に曲がりて薪能  穂積
水無月や黒雲去来夕の空    直路
白南風や「真夏の果実」歌ふ人  穂積

(2018.6.2 土)
百段をのぼりて清し夏の風   昭
夏の海段々畑見下ろせば   美和
ふにゃふにゃの段ボールからアイスクリーム   真理
人の輪に人の重なる七変化  穂積

(2018.6.3 日)
荒梅雨の板書にずらり化学式   美和
学研の科学のふろく捕虫網  真理
鉄扇の濃き紫に亡父の顔  櫻子
数段の堰段ごとに花菖蒲 ハジメ
花菖蒲野球少年バット振る  穂積
夏雲や大口真神祀る山   草もち
梅雨寒の机に置かれ数学ⅡB  聡子

(2018.6.4 月)
梅雨晴れや世界遺産の五重塔   美和
噴水の奥に弦楽五重奏   真理
五十一歳にもなつて日焼して   利行
園丁の若返りたる菖蒲園 ハジメ
夏の雨傘の雨音癒し音   穂積
汗拭いて眼鏡を拭いて延長戦  ハジメ
ムーミンの鼻の見えゐる汗拭ひ   美和
鐘島の穴の向かふに夏開く   薫
マグネットたくさん貼つて冷蔵庫   聡子

(2018.6.5 火)
エプロンの大きポケット七変化   美和
短夜の予習復習してゐる子 ハジメ
新緑のカーヴミラーを溢れをり   聡子
新緑や猿の眸を思ひ出す 真理
静岡と見定めらるる新茶かな 彩香
夏蝶や東シナ海望む墓地   智恵
片蔭や龍郷柄の紙袋   智恵
五月晴れ焼き牡蠣の殻ぐいと開け   薫
白靴やなぜか買ひたる万歩計  穂積

(2018.6.6 水)
万歩計何時の間にやら無くし梅雨   美和
万緑の運動靴に背広かな   真理
日々通ふ路地も梅雨入り細長く   直路
明易の色紙細く切り揃へ   美和
薬師丸ひろ子とともに夏の星  穂積

(2018.6.7 木)
梅雨寒や改札口に友のゐて   昭
非常口灯の点滅梅雨湿り   美和
梅雨寒や口絵に眠る大きな木   真理
梅雨晴間都心ドトール梯子して   直路
冷奴男の箸のやはらかく ハジメ
冷奴エーススライド登板す   草もち
走り梅雨バーバー花井の床屋椅子  穂積

(2018.6.8 金)
若者の声こだまして麦の秋   昭
梅雨の夜の待ち合い室に響く声   美和
国境の待合室の守宮かな  真理
誰もゐぬ待合室の扇風機   利行
何よりも油断大敵かたつむり ハジメ
薬指マニキュア塗られ片かげり   穂積

(2018.6.9 土)
梅雨寒のドトール渋谷2丁目店   聡子
テーブルの朝をいろどる額の花   昭
額縁の深きレリーフ梅雨湿り   美和
炎天のリリーフ投手赤い土  真理
公園にあとを残して草刈機  ハジメ
梅雨晴れや四日の眠りから醒めて   薫
靴紐をしつかり結ぶ梅雨晴間   美和
万物は老ゆ市ヶ谷の夏祭り   直路
スタバにてパソコン作業迎へ梅雨  穂積

(2018.6.10 日)
梅雨空の機嫌うかがふバ―ベキュ― ハジメ
コーヒー豆挽く梅雨寒の日曜日   智恵
白き日の差しをり梅雨の雲薄く   美和
梅雨寒や徒歩三分に古喫茶   直路
「残像に口紅を」読む蜃気楼  穂積
梅雨寒の電車と電車啼き交はす   草もち
梅雨空の暗きを連れて訃報来る   櫻子

(2018.6.11 月)
梅雨深む木の人形に木の帽子   聡子
網棚のりリボンの垂れて夏帽子   美和
そぼ濡れて溜め息ひとつ釣鐘草   薫
流れてはゆかぬためいき五月雨るる   利行
立葵咲きつくすまで余裕あり ハジメ
ワッフルの焼き目の十字梅雨に入る   聡子
涼しさやフレンチシェフの高帽子  穂積
サルビアの燃える街かど雨あがる   昭

(2018.6.12 火)
燃え滓の燐寸の軸の歪む夏   美和
よろこびの涙こぼして濃紫陽花 ハジメ
失恋も力になるさ夏の雲   穂積

(2018.6.13 水)
薔薇の香に立ちつくす人杖の人   昭
夏空や我呼ぶ笛のいずくより   直路
梅雨晴間森田童子之唄沁みる  穂積
銀色の秒針夏至を過ぎゆきぬ   聡子
秒針のない時計して梅雨晴間   草もち

(2018.6.14 木)
梅雨晴間宅配便の届く午後   昭
梅雨曇り北野ブルーの空低く 利保
薄暑光たくぎんのロゴ溶け残る くく
梅雨晴間バランス悪き背の荷物   直路
青梅雨や真白き紙とガラスペン   智恵
つけペンのブルーブラック梅雨深し   美和
五月雨の縦に斜めに降りにけり ハジメ
青色の水玉のシャツ五月雨るる   薫
水玉のネクタイ締めてサングラス   穂積
ひろびろと青葉の露に映る空   昭

(2018.6.15 金)
梅雨の朝湖面を渡るエメラルド 利保
狐目のをんな紅引く夏の夕  穂積
長傘の先つんと突く梅雨寒し   薫
気に入りの傘子にとられ梅雨の月   美和
ジーンズの君に似たひと梅雨の町   昭

102句

Re: 2018年6月前半の投句一覧

  • 穂積
  • 2018/06/16 (Sat) 18:56:06
いつもの縦書きバージョンです。

https://okurin.bitpark.co.jp/d.php?u=fd94anMvURnuxsA

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