2018年11月前半投句一覧

  • 穂積
  • 2018/11/17 (Sat) 13:37:40
(2018.11.1 木)
秋夕焼飛行機雲の溶けてゆく   昭
溶解炉流れ出る鉄神無月   美和
秋空に輪を描いて去る旅の鳥   利保
腕もげし笑みの仏や秋惜しむ  穂積
仏像展出でて悲秋の街をゆく   草もち

(2018.11.2 金)
秋行くや車窓の闇の深くなり   美和
黒猫の独り歩きや月無き夜  利保
いわし雲隣家の工事始まりぬ   智恵
潮騒や十一月の喫茶店  ハジメ
ランドルト環のぼやける秋湿り   穂積

(2018.11.3 土)
迷彩の服を纏いて柿紅葉  利保
黄落や道に迷うて地の子問ひ   美和

(2018.11.4 日)
ドリトルの耳を持ちたし秋の山   美和
蜘蛛の巣や主何処に暮の秋  利保
珈琲とマロングラッセ文化の日   智恵
お利口さんがママの手伝ひ冬隣り  比呂
水やればにぎやかな声秋の草花  比呂
一葉の静かに散りて秋の雨   直路

(2018.11.5 月)
黄葉散る散る貴船への木の根道   美和
古傷も錦となりて柿紅葉  利保
バス停の顔をたしかめ秋の蝶   昭

(2018.11.6 火)
スマホ見るのみうそ寒の停留所   美和
朝の霧俄に晴れて鷺一羽  利保
紅葉に黄葉かさね双耳峰  穂積
仄暗き刈田に筑波によつきりと   草もち
黄葉散る誰もあそばぬ滑り台   昭

(2018.11.7 水)
鱈の骨口の中では存在感   薫
骨酒の薄黄金色冬はじめ   美和
味噌拉麺バター溶かして冬に入る   利保
立冬にほどよき朝日あびにけり ハジメ
立冬や今日より始めたきことを   聡子
立冬は弾けたる音ジャンプせり  穂積

(2018.11.8 木)
今朝の冬干されたままのスニーカー   昭
立冬やボールを弾く壁の音   利保
秋の灯にうかぶ中国格子柄   智恵
立冬や心静かに柏手を  比呂
立冬や辺野古の朝は今日も明け  比呂

(2018.11.9 金)
立冬の缶にぎやかに中国茶   聡子
冬はじめ漢方薬の仄甘き   美和
わが胸に熱き血潮や冬薔薇  比呂
ぶるっとす筑波颪の尾にまかれ  比呂
蜘蛛の巣でじっとしており冬に入る  利保
十分の電話短き帰り花  穂積

(2018.11.10 土)
冬耕を見下ろし烏低く鳴き  利保
釣り人が横一列の小春かな  比呂
アレクサに教わる季語や冬立つ日   直路
教則本斜めに読んで冬ぬくし   美和
小春日や赤毛のアンのひとり言  穂積

(2018.11.11 日)
つぎつぎに咲きなぐさめよ冬の百合   聡子
立冬や窓に聞こえるシューベルト   昭
富士山のナンバー前に冬の旅  比呂
教会の尖塔光る冬の空  比呂
ママレード微かに苦し冬はじめ  利保
冬うららあたり前田のクラッカー  穂積
冬晴れの街クラシックカーぶるん   草もち
小春日や「見える見える」に「まつくろけのけ」   美和

(2018.11.12 月)
よちよちの子を父が追ふ冬うらら   美和
冬めいて汁粉の素を思い出す  利保
七五三久方ぶりに背広着て  ハジメ

(2018.11.13 火)
冬晴に響く三三七拍子   美和
日比谷とはビルの谷なり冬の風  利保
木々だけに冬立つ頃やビルの街  直路
冬の夜新幹線の電話(LINE)かな  穂積

(2018.11.14 水)
冬日向くちびるは血の味がする   くく
山道の落葉拾へば血の匂ひ   美和
押し黙る高圧線や冬の月   利保

(2018.11.15 木)
冬の日やオレンジペコの缶開けて   聡子
黒缶の PRINCE OF WALES 虎落笛   美和
行列や小春日和のムンク展  比呂
冬服に半袖まじる渋谷かな   智恵
木の葉髪ヘアワックスの黒い缶  利保
冬ぬくし濃き紫のダージリン   穂積
正山小種入れて風邪のひきはじめ   草もち
泣きたくなるほどにくれなゐ色の炭   薫

(74句)





Re: 2018年11月前半投句一覧

  • 穂積
  • 2018/11/17 (Sat) 13:41:11

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