2021年6月前半 投句一覧

  • 穂積
  • 2021/06/16 (Wed) 13:46:24
2021/06/01 (Tue)
甘党の父の遺影に水羊羹  万紀子
峡の空映して清し夏の川   美和
海軍を誇りし父よハンモック  利保
戦ひに浮かびし体夏の空  穂積
田の神の降りて朗々夏鶯  勝彦

2021/06/02 (Wed)
若楓みどりの光降るやうな   美和
君を乗せ走る坂道夕立雲  利保 
万緑や夕日ごと飲む大ジョッキ  勝彦
海底の長き沈黙走馬灯   穂積
箱庭の黙へ縞馬ひとつ置く  勝彦

2021/06/03 (Thu)
夏めくや馬の臀部のぬめ光り   美和
予報士の杖さだまらず芒種なり  利保
少女との逢瀬楽しき夏の川  穂積
ブルーノート噴かせて夏の夜の深し  勝彦
夏の夜の読書や髪を耳にかけ  彩香

2021/06/04 (Fri)
子にうたふ夏の夜の雨の歌   聡子
雨だれの音色弾んでゐたりける   美和
バッコスの杯揺らす栗の花  利保
青春の時間よ止まれ夏の☆  穂積
抽斗の分度器曇り額の花   聡子
走馬灯瑠璃の瞳の君の影  利保
梅雨晴間光る機影とジェット音   美和
梅の実の香りや瓶の中にゐて   彩香

2021/06/06 (Sun)
青梅の籠いつぱいの丸さかな  万紀子
青柿の弾んで落つる壁の道   美和
青鬼灯鉄路の響く映画館  利保
小太りのおばちゃん多し接種の夏  穂積
梅の実の今年豊作十六個  直路
青梅を振るも篩うもこゑ高し  勝彦

2021/06/07 (Mon)
木下闇高音尖るリードミス   美和
ほととぎす終着駅は風ばかり  利保
夏つばめ瀬戸内沿いの道行けば   智恵
瀬戸内の枇杷の便りへ乾杯す  勝彦
瀬戸内の夏のレモンを齧りたし   草もち
初陣や夏の檸檬を真っ二つ 勝彦

2021/06/08 (Tue)
夏川にざんぶ飛び込みボール追ふ    比呂
ごとごとと脱水止まる夏の朝   美和
鯛めしの泳ぐ海より来る手紙  利保
檸檬とは齧るもの「柔道一直線」   薫
黒帯の淡く恋してシャーベット  勝彦
大夕焼け鉄の下駄の鳴る坂の道  勝彦

2021/06/09 (Wed)
あざやかに溶け出しレモンシャーベット   聡子
夕焼けに背負はれてゆく負け試合  利保
青春の不可解を知れ夏檸檬  穂積
荒梅雨や合羽の背中丸めゆき   美和
木道の黄菅を数へ尾瀬をゆき  万紀子

2021/06/10 (Thu)
瀬の音と風と歩くや皐月晴    美和
梅雨の雲ムンクの不安空に満つ  利保
なにもかもはるかな尾瀬や雲の峰   比呂
尾瀬口も梅雨入友らと握り飯  勝彦

2021/06/11 (Fri)
茹飯蛸唐草紋様とは此れか   美和
夜明けの翳りアジサイ青蒼藍  利保
黄を増せり日光黄菅遊歩道  穂積
風鈴や四方八方窓開けて   智恵
栗花の県境開けて匂ふかな  勝彦
窓辺より手を振る人の手に氷菓   彩香

2021/06/12 (Sat)
ラベンダー窓に飾りて雨あがる  利保
カフェカーテン揺るる出窓や緑さす   美和
蛇泳ぐなみなみ波の立つかたち   くく
くちなはのくくくくくくと滑りをり  万紀子
カレー粉の香に目覚めたる午睡かな   彩香
ぬかるむや梅雨の杉菜は根を残し  勝彦
梅雨空へ拳ヒーローインタビュー   草もち
我が庭の秩序やいずこ草茂る   薫

2021/06/13 (Sun)
水無月の雲の序破急ゑひもせす  勝彦
対戦の拳くり出す旱星  万紀子
黒南風や地下駐車場出入口    美和
ぽつぽつと写真を整理梅雨の月   美和
梅雨の月河馬のあくびの泡ひとつ  利保
夏草の背高を越ゆるあくびかな  勝彦

2021/06/14 (Mon)
川越えて新緑の真只中へ   美和
緑夜なり古いラジオの流行歌  利保
猫の影おほきく伸びす緑夜かな 万紀子
杉菜茶をカインふるまふ梅雨入かな  勝彦

2021/06/15 (Tue)
茶箪笥の奥より湯呑み新茶汲む   美和
梅雨に入るもつの煮込みの七味かな  利保
にじみゆくオーロラソース緑の夜   彩香

(77句)

Re: 2021年6月前半 投句一覧

  • 穂積
  • 2021/06/16 (Wed) 13:47:36
今回は、久々に、くくさんの句が登場しましたね。

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