2022年5月前半 投句一覧

  • 穂積
  • 2022/05/16 (Mon) 20:06:49
2022/05/01 (Sun)
敷物に弁当並べこどもの日   美和
遅桜後ろ姿は君に似て  利保
新宅の空に泳ぐや鯉幟   桜子
振り昏むメーデーの声なき一日 家猫
囀りや恋を歌ふは双子歌手  穂積

2022/05/02 (Mon)
歌声は悲しき空へ暮の春   美和
昭和の日弁当染める紅生姜  利保
今もかも狭山茶畑茶摘み歌   桜子
振り暮らす濡れた梢にかたつむり  家猫
新緑のペダルも軽きユーロヴェロ  穂積
新緑や旅の疲れを離れずに  勝彦
さびしさに食ぶビターチョコ花は葉に   聡子

2022/05/03 (Tue)
花は葉に雨足残る旅鞄  勝彦
たんぽぽの絮旅のこと聞きにゆかむ   美和
黒々と苗田に聳え遠筑波  利保
蜘蛛の糸水面の如し光をり   桜子
一日の終はりででむしの生思ふ  家猫
糠床をぱんと叩くや荷風の忌   薫
床の間に掛けし鳥の絵夏に入る   美和

2022/05/04 (Wed)
終電の灯や風薫る無人駅   美和
荷風忌や旧街道のうすあかり  利保
風薫る弾むカルピスの朝かな   桜子
十七音つむぐや憲法記念の日  智恵
古茶惜しむ独り服茶の黙の夜  家猫
迷宮めく色街抜ける荷風の忌  穂積
惜春を掬ひて雨の小船かな  勝彦
夏近し砂丘の先は青と紺  智恵
使命重き忍者を見たり深き春  穂積
人の菅越前大野の深き春  勝彦

2022/05/05 (Thu)
人人人人又人のみどりの日   美和
アイドルの遠い歌声夏来る  利保
白く見ゆ遠き連峰も立夏なり   桜子
風薫る葉音の滋き夕間暮れ  家猫
夏夕べ弦にふれれば鳴り出しぬ   聡子

2022/05/06 (Fri)
東京駅から連れて来し夏の月   彩香
夏の月虚ろに暗しモアイの眼  利保
夏立つや風にサックス・ペット・チェロ   美和
庭隅の暗闇にをり浦島草   桜子
結葉を見上ぐる吾のくるくると   薫
ひらがなのスコアーボード子供の日  万紀子
泣きたかろ大切り株よ余花の雨  家猫
船頭のゴリゴ爺めく余花の掘  勝彦
生きてるぞ切り株姿の余花として   桜子

2022/05/07 (Sat)
初夏の姿造りや染付に   美和
夏場所や三矢の訓え胸に秘め  利保
風の香や季語のやうなる四股名あり  桜子
色と音まじふる初夏の渋谷かな  智恵
蚊遣火の煙はいつもの風を呼ぶ  家猫
還暦やまだ胸躍るこどもの日  勝彦
家もまた空気吸ひたし立夏かな  穂積
窓開き富士青々と夏来たる  勝彦

2022/05/08 (Sun)
聖母月マトリョーシカの紅い頬  利保
野に山に緑いろいろ早苗月   美和
美魔女てき色と姿やカーネーション   桜子
突然と佳き日にこぼれ桐の花  家猫
母の日やひねもす畑に石ひろふ  勝彦
ぽピぽピと文鳥歌ふ聖五月   草もち

2022/05/09 (Mon)
羽ばたきは風になりけり薄暑光  利保
夏めくや風鳴りの梢を見上げ   美和
池見れば鷺舞い降りて愛鳥日   桜子
雲間より麦の秋風黒の猫  家猫
鳩の街タイル鮮やか聖五月  穂積
さみだるる古書店跡の猫の声  勝彦

2022/05/10 (Tue)
古本を開き四つ葉のクローバー   美和
古書店の江戸川乱梅雨の蝶  利保
ステルス機轟音過ぐる青嵐   桜子
若葉風葉音ひかりて指栞   家猫
若葉風坂道上の古本屋  穂積

2022/05/11 (Wed)
古着屋の色のとりどり風薫る   美和
風薫る水田見下ろす鳥の影  利保
しんとゐる燕子花なり畔水路   桜子
指栞すぐそこに時鳥きて  家猫
娑婆なんてすぐそこにあり柿若葉  勝彦
古書店にカーネーションの飾らるる  聡子

2022/05/12 (Thu)
母に母その母に母カーネーション   美和
新調着まだ馴染まぬや茅花流し   桜子
ながし吹く緑のバスの停留所  利保
こぼれをる雫虔(つつま)し杜若  家猫
「じゃ、失敬!」昭和男の初夏の笑み  穂積
カーネーション捧げる黒のレースの手  勝彦
はつ夏にマチスの切り絵青々と   薫
句をもちて問ひたき会よ青山河  勝彦

2022/05/13 (Fri)
焔もて川面を照らす鵜飼かな  万紀子
風に乗り川音届く夏初め    美和
夜叉ひとり同行二人冷し酒  利保
実桜の黒く揺れるや青時雨   桜子
棄てられた枝壜に挿し夏初め  家猫

2022/05/14 (Sat)
初夏や聞香の炉の薄緑   美和
野茨よ棘の数ほど咲き芳る   桜子
青嵐本土復帰後五十年  利保
きのふけふ筍飯や二人の居  家猫
中尾くんちの筍の太きこと   草もち

2022/05/15 (Sun)
四畳半筍飯のお櫃かな  利保
しゅつしゅつとナイフになれぬ燕の子   桜子
はばたきや茅花流しの行方かな  家猫

(95句)

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