2024/12/16 (Mon)
水洟やはや平成も遠くなり 利保
水洟を夫がすすれば吾もまた 美和
珈琲の慣れた味なり風邪のあと 桜子
水洟やねやの寂けさ月明り なお
2024/12/17 (Tue)
摩天楼爪先立ちの雪女 利保
名ばかりとなりぬふるさとは白雪 桜子
たあくらたあひねくれ一茶の忌なりけり なお
珈琲焙煎冬日一筋射す廚 美和
2024/12/18 (Wed)
爪切りのぱちりぱちりと日短か 美和
おいねえよあんでんねえよ冬日和 利保
茶会帰りか白髪の冬羽織 桜子
軋む音させてしづもる夜半の冬 なお
ずく出して藁を切る音月冴えぬ 勝彦
満月の冴えだしてをりひとごこち 勝彦
2024/12/19 (Thu)
数へ日やしみじみやれの高い声 利保
暁の寒波通過の音ひろふ 桜子
冬の陽を待ってたような月があり 春美
遠を見る雪雲を照らす日のあり なお
2024/12/20 (Fri)
北摂に雪雲の端盛り上がる 美和
侘助や白と赤とも俯いて 桜子
冬至あすとて庭柚子もそろひけり なお
小さき子に小さい方の柚子渡す 聡子
2024/12/21 (Sat)
母言言へり柚子の香りと色好きと 美和
粛々と黄色あふるる冬至の日 桜子
こつてりの冬至南瓜のスープかな 桜子
刃を替へて冬至の髭の剃り心地 利保
にげる猿南瓜もろ手に冬至かな なお
あの曲が頭に沁みるクリスマス 穂積
一陽来復雲の切れ間の浅縹 智恵
柚子風呂の柚子はぽくぽく抵抗す 薫
2024/12/22 (Sun)
柚の風呂ぷかりぽかりと香り満つ 万紀子
風呂桶のからりころりと冬至の日 美和
葉牡丹の縮れ葉の数日々増して 桜子
数へ日の倍速で聴く世情かな 利保
湯のとろりとろりとろりと柚子湯かな なお
2024/12/23 (Mon)
クリスマスソング流れぬ街のかど 薫
冬深しテールランプの流れゆき 美和
青空を奔る雪雲千切れ雲 桜子
プレゼント自分に贈り聖夜待つ 利保
蜜柑色が好き私の冬帽子 桜子
影送りいさぎよきかな冬青空 なお
二人きりあんまん食べる聖夜かな 春美
2024/12/24 (Tue)
まんべんなくクリームを塗りクリスマス 美和
三年となりし事件よクリスマス 桜子
仏壇へ十億のくじクリスマス 利保
クリスマスイヴくれなゐの割烹着 智恵
かろやかな仏教徒でゐて聖夜かな なお
黄泉の灯か淡黄色のシクラメン 桜子
クリスマスケンタの前の長い列 穂積
数へ日や内緒の不満をラインして 勝彦
2024/12/25 (Wed)
聖夜なる教会の帰路居酒屋へ 桜子
木守や削除できざるLINEの名 桜子
数へ日のタスクを終ふる一つづつ 美和
年流る帰りたくなし若き日々 利保
ゆふまずめ空き缶蹴つて数へ日や なお
悠々と鯉泳ぎたる冬日向 勝彦
2024/12/26 (Thu)
淡々と影の伸びゆく冬の苑 美和
青信号青い男の冬帽子 利保
冬雀鶏小屋網を行き来して 桜子
気に入らぬ字がありまする湯婆(たんぽ)の「ぽ」 なお
巳といふ字ふくらみがちに賀状書く 勝彦
小さき灯を両手でつつむクリスマス 聡子
小さき手とつなぐ母の手あかぎれて 桜子
2024/12/27 (Fri)
ろうそくの灯の映る窓聖誕祭 美和
餅つきをはやす女の浜言葉 利保
街騒(まちざい)にまぎる炊き出し年の暮 なお
2024/12/28 (Sat)
眠る街仕事納めの二十五時 勝彦
秒針の二秒間隔年詰る 美和
名店のチップス菓子や仕事納 桜子
年詰まるグスコンガッシャン町工場 利保
年詰まる七のぞろ目にゐる世代 なお
2024/12/29 (Sun)
年の瀬や二十世紀の流行歌 美和
年の瀬やいつものやうにのほほんと 桜子
冬の鯛地酒聖泉二合かな 利保
風花のやうに消えにしひとの歌 なお
風花を舌に越後の苦をおもう 勝彦
2024/12/30 (Mon)
冬の星歌ふごとくに瞬きぬ 聡子
赤城颪や星空を見上れば 美和
冬の星くらやみ坂にうるし坂 利保
冬菊や暁に色映りゆく 桜子
焚く草の匂ひたつ空小晦日 なお
そこそこに小走りたのし小晦日 なお
零下五度の風を迎へて煤払ひ 智恵
2024/12/31 (Tue)
零戦のプロペラ極月の闇の中 美和
縦笛でオーラリー吹く大晦日 利保
年満つのひとときウエスト本店 桜子
ごめんねと家人笑顔で煤逃げる 薫
彩すこし零るるやうに注連飾る なお
風吹いてつひの葉も落つ除夜の星 なお
生きるのみ何も飾らぬ去年今年 勝彦
2024年12月後半 投句一覧
Re: 2024年12月後半 投句一覧
遅ればせながらですが、、。
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